■天狗滝・綾滝
天狗滝と綾滝(引用)
どちらも千足部落の柳沢に懸っている滝で、「天狗滝」はその中流部にある。 ほぼ沢に沿って敷設された林道で五〇〇メートル(現在は約700mまで延長)、それからは山道になって六〇〇メートルばかり、高黒山の南東尾根裾になる。 二〇メートル余と思われるチャートの断層面を、音も立てずに滑り落ちているといった滝である。
滝下は幅広い砂利河原で、滝壷は申訳け程度の渕になっている。 滝下のゆるやかな流れの十数メートル下流には、直下型で滝壷を持つ高さ七〜八メートルの滝が二つある。 この滝音が風向きによってごうごうと聞こえるぐらいで、あたりは深閑とした環境をつくっている。本宿の北秋川
橋付近から見えるのはこの滝である。
綾滝は、天狗滝からさらに七〇〇メートルからの上流にある。 天狗滝に勝るとも劣らないような落ち方の滝で、滑らかなチャートの断層崖を一七〜一八メートル、上部では屈曲をつけながら垂直に近い勾配で滑り落ちている。
滝童は大小の砂利や落石で埋まっている。 あわ滝とも呼ぶとかいうが、落下する水が海の連続のように見えるからであろうか。 いずれにしても綾の織物を垂れ下げたように見事な滝であることには間違いがない。
滝壷部分左わき(右側・左岸)の岩壁上に、「三郷不動明王」と陰刻し、裏面には、御嶽教行者の山崎友三郎が、昭和四十一年十一月に建てたことを記した高さ七〇センチほどの石碑がある。美しさに見とれながらも、一瞬の霊気に襟を正させられる。 滝下の左岸一帯はなだらかな植林地、下流の谷も危険性がない平凡な沢になっているから、学童等の見学には恰好の場所と思われる。ただ、途中に急峻な個所があったり、距離が遠いという難点だけは避けられない。
桧原城の落城後、城主の奥方がここに庵を建てて住み、聖観音の像を安置して拝みながら余生を送ったという説も伝えられているが、事実としても考えられそうな場所である。
天狗滝(音声あり) | 綾滝 |
大雨直後のため水量が多く、特に綾滝は普段のイメージとかけ離れているとの意見多し。 |
千足〜林道終点 林道終点〜天狗の滝 天狗の滝〜綾滝 全行程 標高差 140m 93m 138m 371m 距離 680m 300m 660m 1640m 時間 15分 8分 17分 40分
時間は実測値ですが、自分では健脚だと思っています。少し多めにみた方がよいでしょう。
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